住宅密集地など、立地や間取りの都合で「お風呂に窓をつけられない」ケースは、実は珍しくありません。窓がないことで湿気や閉塞感が気になる方もいる一方、断熱性や防犯性といった面から、あえて窓を設けないお風呂にリフォームすることもあります。最近では、建材や設備の進化によって、窓がなくても快適で清潔なお風呂空間を整えることが可能になりました。
この記事では、窓なしのお風呂を快適に整えるための工夫やアイデアを実際の事例とともにご紹介します。毎日の入浴をもっと安心して心地よくできるヒントとして、ぜひご覧ください。
目次
お風呂に窓があると、開放感や採光・通風といったメリットもありますが、すべての住宅でかなうわけではありません。結果的に「窓なし」になるケースは以下のような理由が挙げられます。
・間取り的に窓をつけるスペースが取れない
・隣家との距離が近くて視線が気になる
・耐震性を高めるために外壁の開口部を減らしたい
・北側の窓で寒さが気になる
以上の理由から「窓をつけたいけど現実的に難しい」と感じている方にとって「窓なしでも快適に過ごせるか」は重要なテーマです。次の章では、お風呂を快適な空間へ変える「窓なしお風呂」のメリットについてご紹介します。
「窓がないお風呂って、やっぱり不便なのでは?」と心配になる方は少なくないでしょう。でも、窓がないことで得られる心地よさや安心感もあります。
ここでは、窓なしのお風呂にすることで得られる5つのメリットをご紹介します。
戸建て住宅で空き巣の侵入口になりやすいのが「窓」です。とくにお風呂は死角になりやすく人目につきにくい場所にあるため、より狙われやすい場所と言えるでしょう。
窓をなくせば、侵入経路をひとつ減らすことができ、防犯性がアップします。換気のために「ちょっとだけ開けておこう」と施錠を忘れてしまう心配もなくなり、日常的な不安がひとつ減るかもしれません。
お風呂の寒さ対策としても「窓なし」は効果が期待できます。窓は外気の影響を受けやすく、冷え込みやすいもの。窓がなければ外との熱交換が起きにくく、浴室の室温が安定しやすくなります。
冬場の寒さがやわらぎ、ヒートショックのリスクが軽減されるのは、安心につながる大きなポイントです。さらに、夏場は直射日光による室温上昇を防ぐ効果もあるので、一年を通して過ごしやすい空間になります。
お風呂の窓まわりは、結露がたまりやすくカビの温床になりがち。サッシの溝やパッキンの掃除も手間がかかりますよね。
窓がなければ、湿気トラブルを未然に防ぐことができ、お手入れもぐっとラクになります。毎日の掃除の負担が減ると、忙しい日々の中でも清潔を保ちやすくなります。
お風呂の位置によっては、隣家や通りからの視線が気になることも。すりガラスや目隠し格子を付けていても、夜に明かりをつけると入浴中だとすぐにわかってしまいます。窓がなければ、まわりの目を気にすることもなくなり、家族みんなが安心してバスタイムを楽しめます。とくに子どもや女性にとって、心からリラックスできる空間は大切ですよね。
窓があると、採光や通風の都合から、浴槽や洗い場の配置が制限されてしまうこともあります。窓がないことで、空間全体をフラットにとらえて、動線や使いやすさを重視した設計が可能に。手すりの位置を体格や使い勝手に合わせて調整したり、入浴しやすい浴槽の位置にしたりと、より家族の要望に合わせたプランに近づけられます。
窓なしのお風呂については、「使い心地はどう?」と気になる方も多いはず。
ここではよくある疑問をQ&A形式で紹介します。暮らしに合ったお風呂づくりの参考にしてください。
A.換気設備が整っていれば、清潔な環境を保てます。
自然の風が入らなくなる分、24時間換気や高性能な換気扇などの設備がしっかり働いてくれます。湿気やカビの発生を防ぐためにも、適切な換気システムの導入が大切です。
新築では24時間換気が義務づけられていることもあり、お風呂だけでなく住まい全体の空気の流れを見直すきっかけにもなるでしょう。
A.照明と内装の工夫で明るく感じられる空間づくりができます。
自然光が入らなくても、照明の配置や色やトーンにこだわることで、明るく気持ちの良い空間に仕上げられます。
たとえば、白やベージュなど光を反射しやすい色合いの内装にすれば、照明の効果が広がり、圧迫感の少ない雰囲気に。日中の自然光にこだわらず、落ち着いた照明でくつろぎの時間を楽しみたい方には、むしろ心地よく感じられることもあります。
A.視覚的な広がりを持たせる工夫で、ゆったりと感じられます。
明るい色を基調とした内装や、横長の鏡を取り入れる工夫で奥行きが感じられ、空間が広く見える効果があります。また、光がやさしく壁や天井に広がるような照明器具を選べば、閉塞感を感じにくいお風呂に仕上げられるでしょう。
ここではオンリーワンリフォーム石友が手がけた「窓なし」お風呂のリフォーム事例を2つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
Before
After
・エリア:石川県能美市
・リフォーム費用:155万円
・工期:9日間
・築年数:28年
・TOTO サザナSタイプ 1坪サイズ
断熱性と安全性に配慮しながら、お風呂時間をより快適に。
「寒さが気になる」「これからの暮らしに備えたい」といった思いをきっかけに、浴室と洗面脱衣室のリフォームを行いました。
・窓をなくして、断熱性能を高めるオプションをプラス
・手すりの設置で、これから先も安心して使える仕様に
・洗面脱衣室のドアは、外からも開けられる中折れタイプに変更
寒さに悩まされにくい、くつろぎの空間が完成しました。
もしものときにも備えられる、やさしい設計です。
>>浴室・洗面脱衣室リフォーム~将来のことを考えたリフォーム/石川県能美市
Before
After
・エリア:石川県小松市
・リフォーム費用:160万円
・工期:11日間
・築年数:32年
・LIXIL リデア Mタイプ 1坪サイズ
ジャロジー窓がついていたお風呂は、寒さや防犯性の面で不安があり、お手入れの手間も気になる状態でした。
そこで、窓をなくして断熱性と安全性を高めながら、使い勝手も見直すリフォームを実施。
・窓をなくし、防犯性とあたたかさを両立
・マグネット収納や取り外せるカウンターで掃除をラクに
・洗面台まわりの収納を見直して、家族みんなが使いやすい空間に
日々の使い心地を考えた、やさしい工夫が詰まった水まわりリフォームです。
>>浴室・洗面・勝手口リフォーム~使いやすさとあたたかさを兼ね備えたお風呂と洗面に!/石川県小松市
「お風呂に窓があるのは当たり前」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。ただし、実際には、寒さや防犯、掃除のしやすさなどの面で、窓のないお風呂にも多くの魅力があります。
大切なのは、ご家族にとって心地よく、安全に使える空間であること。暮らし方や住まいの条件に合った、最適なかたちを選ぶことが何より大切です。もし不安に思われることがあれば、経験豊富なプロに相談してみてください。ご希望や生活スタイルを伺いながら、無理のないリフォームをご提案します。
オンリーワンリフォーム石友のショールームでは、実際のサイズ感や設備を確かめながらお話しいただけます。安心してリフォームを進めるために、ぜひご家族でお気軽にご来場ください。
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