食器を入れるだけで、洗浄から乾燥まで自動的に行ってくれる食洗機は、家事の負担を減らしたい方にとって頼もしい存在です。しかし、「本当に必要なのか」「設置コストはどのくらいかかるのか」と、疑問に思う方も多いでしょう。
食洗機が気になっているのなら、工事を一度に行えるリフォームのタイミングで、ぜひ検討を進めましょう。今回は食洗機の必要性や設置する際のチェックポイントをわかりやすく解説します。
目次
キッチンをリフォームするときに、食洗機を採用するか悩む理由としては、主に以下の3つがあげられます。
・家事を楽にしたいけれど、活用できるか不安
・設置スペースが限られている
・予算とのバランスや、ランニングコストが気になる
多く聞かれるのは、「本当に使いこなせるのか?」と、必要性が気になるケースです。特に食洗機を使うのが初めての方や、洗う食器の数が少ない方は「本当に必要なの?」と迷うことも。設置スペースが限られていて収納にも限りがある場合は、さらに悩みやすくなるでしょう。
また、ビルトイン食洗機は本体価格に加えて、取り付け工事費用も必要になります。さらに「水を多く使うのでは?」というイメージから、ランニングコストを含めた全体の費用が気になる方も多いです。
システムキッチンに組み込むタイプのビルトイン食洗機が希望なら、取り付け工事が必要です。据え置き型の卓上食洗機や、工事不要のタンク式食洗機などもありますが、作業スペースの確保や見た目が気になるといった点から、ビルトイン食洗機が多く選ばれています。
また、コンロとシンクがわかれている「ブロックキッチン」の場合、ビルトイン食洗機を取り付けできません。ブロックキッチンについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
あなたのキッチンはどっち?システムキッチンとブロックキッチンの違いをチェック!
キッチンをリフォームするなら、食洗機はぜひ検討したい設備です。食洗機を採用すると生活はどのように変わるのか、3つのメリットを詳しく見ていきましょう。
Panasonicによると、1回の食器洗いにかかる時間は、手洗いの場合で平均20分ほどです。これを年間で比較すると、手洗いと食洗機の利用では、年間で約180時間もの差が生まれます。食洗機を使うことで、時間に大きなゆとりができるでしょう。
食洗機は、庫内に溜めた水を循環させて洗う仕組みです。機種によっては、手洗いの約半分の水量で済むため、節水や水道代の節約効果も期待できます。
引き出しのようにキッチンカウンターの下に取り付けるビルトイン食洗機なら、広々とした調理スペースを確保できます。扉と同じ色合いで見た目を統一できるため、収納との一体感が高まるのも魅力です。
食洗機は「設置してよかった」という意見が多い一方で、「いらない」と感じる方もいます。食洗機のメリットは、使い方や生活スタイルによって異なるため、どのような場合に「いらない」と感じやすいのか、詳しく見ていきましょう。
食洗機のメリットは、家族の人数が多く、洗う食器が多い方ほど大きくなります。食器の数が少なく、手洗いでも負担を感じない方にとっては、メリットを感じにくいかもしれません。
一方で、食洗機を導入してから手荒れが改善したという声もあり、食器洗いの負担以外にもメリットを感じる場合があります。
食洗機の運転時間は、運転開始から乾燥完了まで1時間30分~2時間程度かかります。特に念入りに仕上げるものは3時間近くかかるコースもあることから、洗浄時間の長さが気になる場合もあるでしょう。
さらに、運転中のモーター音や水音が気になるという意見もあります。食後にくつろいで過ごすときに食洗機を運転させていると、テレビの音が聞こえにくくなることも。運転音が気になる場合は、予約運転を設定するのもおすすめです。
食洗機の耐用年数は、ビルトイン型でおよそ10年といわれています。使用中には水漏れや異音、乾燥能力の低下などの故障リスクがあり、その都度メンテナンスが必要です。交換する際には本体費用に加えて交換工事費もかかるため、これらのコストを負担と考えて「必要ない」と判断する方もいます。
キッチンリフォームは、実は食洗機を導入する絶好のタイミングです。どのような理由で検討しやすいのか、3つのポイントを解説します。
ビルトイン食洗機だけを追加設置する場合は、既存のキッチンから引き出しを外し、給排水の配管を整えたり電源を用意したりと、設置に手間がかかりやすいです。今使っているキッチンや壁紙にキズをつけないようにするため、作業も慎重に進めなくてはなりません。
一方、リフォームと同時に設置すれば、取り外しや設置作業も行いやすく、工程もスムーズに進みます。全体の工事をまとめて行うことで、コスト削減にもつながります。
食洗機を設置するときは、専用の給排水設備や電源の確保が不可欠です。リフォームと同じタイミングで設置すれば、もしこれらの設備を新規で取り付けたり、位置を変更したりする工事もスムーズに行えます。大幅にレイアウトを変更したいときも、対応しやすくなるでしょう。
既存のキッチンにビルトイン食洗機を追加で取り付ける場合は、扉と同じ色の板(面材)を揃えるのが難しく、食洗機のところだけ色が違って目立ってしまうこともあります。リフォームのタイミングで設置すれば、食洗機を含めた全体のデザインを統一できるため、見た目の印象もよくなるでしょう。
食洗機は大きく分けて、キッチンカウンターの上に置く「据え置き型」と、キッチンに組み込んでしまう「ビルトイン型」の2つがあります。キッチンリフォームで人気のビルトイン型ですが、設置する際はいくつか注意が必要です。意識しておきたい、3つのチェックポイントを見ていきましょう。
ビルトイン型の食洗機は、横幅45cmのタイプが一般的です。たっぷりとした容量が魅力の幅60cmタイプをはじめ、大皿も洗える深型など、ライフスタイルに合った種類を選べます。ただし、設置スペースが十分確保できない場合は、ビルトイン食洗機を設置できません。特に海外製のものはスペースを多く必要とする場合があるため、希望する場合は早めに相談しておきましょう。
電源や給排水設備の確保も、ビルトイン食洗機の取り付けには欠かせません。設備に関する判断は難しいため、食洗機の設置を検討する際は、リフォーム専門店に相談することをおすすめします。間取り図や設備図面をもとに、具体的なリフォームポイントの提案も受けられます。
ビルトイン食洗機はキッチンの引き出し部分に取り付けるため、1ヶ所分の引き出しスペースが食洗機で埋まります。その分、収納が減ったと感じることもあるので、全体の収納量を事前に確認しておきましょう。
キッチンリフォームのタイミングで食洗機を取り入れると、日常の快適さはぐんと高まります。家事の負担を減らし、時間にゆとりを生み出す食洗機は、特に次のような方々におすすめです。
・家事を楽にしたい共働き・子育て世帯
・節水や省エネにこだわりたい人
・キッチンをスッキリ見せたい人
・自分の時間を大切にしたい人
忙しい日常を快適に過ごすためには、家事の効率を高めるために家電を上手に活用することも大切です。リフォームのタイミングで食洗機を導入し、暮らし全体の質を向上させましょう。
Before
After
・エリア:富山県高岡市
・リフォーム費用:133万円
・工期:2日間
・築年数:28年
・LIXIL シエラ
中古で購入されたキッチンから最新型のシステムキッチンへリフォームされた事例です。既存のキッチンのシンク横の作業台の広さを気に入っておられたため、スペースはそのままにしながら、食洗機を新たに取り付けました。食洗機の真上に作業スペースがあるので、食洗機から出した後の食器類を整理するのにも便利です。
キッチンリフォーム~使い勝手を考えたキッチンへ/富山県高岡市
家族の人数やライフスタイルによって、食洗機の必要性への感じ方は変わります。もし食器洗いを負担に感じていて、他のことに使える時間を増やしたいと考えているなら、リフォームのタイミングでぜひ食洗機を検討してみましょう。
ビルトイン食洗機は設置に工事が必要です。まずは、実際の食洗機の容量や使い勝手を知るために、ショールームで食器の入れやすさやサイズ感を確認してみることをおすすめします。
一覧へ戻る富山(2店舗)
石川(3店舗)